【旅行記・9話】イエローストーンで地球を感じる

移動距離最長の日。

10月24日、朝9時起床。今いる緯度になると北海道と一緒くらいなので、平地でも肌寒いですね。霜がおりていました。

今日からいよいよ横断に突入です。その日にどのあたりまで行くかは大体考えているものの、すんなりと東海岸まで行けるのか全く分かりません。果たして僕たちは無事に New York(ニューヨーク)に着けるのでしょうか?

今日は1日の走行距離がおそらく1番長いであろう日。運転も3人で回します。目指すは Yellowstone National Park(イエローストーン国立公園)です。

ルートはこんな感じ。特にややこしいところもないでしょう。

もはやひたすら走るのみです。辺りは草原以外何も無く、だだっ広い土地がどこまでも続いています。

US-20 を東へ2時間半ほど走ったところで、 Burns(バーンズ)という町に着きました。ここは買い出しと、RVパークの予約にWi-Fiが必要だったので少し立ち寄ることに。

「LITE AID」というスーパーでゴム手袋を探していたところ、日本語ペラペラの店員さんに出会いました。正直こんな片田舎で日本語を話せる外国人に出会えるとは驚きです。

ちょうどこの時「ゴム手袋って英語で何て言うんだろ…?」と思いながら探し回っていたので、ナイスタイミング。日本語で「ゴム手袋どこですか?」と聞くと一発で通じ、彼もここぞとばかりに案内してくれました。とても助かりました〜

その後マクドナルドのWi-FiでRVパークを探していたものの、パソコンのバッテリーが切れてしまい断念。。まぁどうにかなるかと思い、あまりのんびりもしていられないので出発です。

ここからは運転をTくんに代わり、弾丸トラベル以来のデスドライブが始まりました。事故らないようドライブの神様に祈っていたのですが、前回よりかなり運転が上達していたので、スリルドライブくらいで済みました。

草原が広がるひらけたところを走ったり、山の間を走ったりしながら Ontario(オンタリオ)という町に到着。 I-84 にのり、州はオレゴンからアイダホに入りました。

それにしても何もありません…. ずっと同じ景色が続きます。ロサンゼルスからここに来るまでは結構頻繁に景色が変わってきたので、ここまで何も変わらないのには辛くなってきました。正直書くこともありません。笑

そういえば、日本では見たことのない長ーい列車は走っていました。

ただこの辺りから山岳部標準時の域に入ったので、カリフォルニアより1時間時計が進みました。なぜか損をした気分です。

そして僕がウトウトとしてきたのと同時に、本日の最終ドライバーKくんにバトンが渡されました。

僕はソファでゴロン。半分起きてて半分寝ているような夢見心地でいると、何やら2人の楽しそうな会話が耳に入ってきます。Kくんが船長でTくんが航海士みたいな、よく分からない設定で永遠会話しています。おそらくあの時は道もほとんど直線で景色も変わらず、10時間以上移動だけしていたので完全に頭がやられてしまったのでしょう。二人は常軌を逸していました。

 

目が覚めると辺りは薄暗く、寝る前に走っていた I-84 が I-86 に変わっていました。Idaho Falls(アイダホ・ファールズ)という町で US-26 にルートを変えます。ここまできたらゴールはすぐそこです。 

実はイエローストーンには、公園の東西南北それぞれに入り口があるのですが、今回僕らは Grand Teton National Park(グランドティトン国立公園)を通過する南側を選びました。

しかし南側というのは冬期閉鎖されてしまう道でもあり、クレーターレイクで大雪を見せられた僕は少し不安を感じていました。

「閉鎖されると他の入り口に行かないとなー。でもイエローストーンデカいからなー厄介だなー」なんて考えていると、遂にアイダホ州からワイオミング州へ入りました。そして Jackson(ジャクソン)という町を通過。ここまできたら目的地は目と鼻の先なので、どこかイイ場所で車をとめようということに。路肩にスペースがあったのでもう迷わずそこに停めます。

 

時刻は24時近くになっていました。みんな疲労困憊です。僕も変な時間に寝てしまったので頭が重いです。

こうして走行距離約700マイル、時間にして約12時間以上の移動が終わりました。分かりやすく言うと、大体大阪から北海道の函館くらいまでの距離です。いやー今日はよく走った!

そしてみんなで明日良い天気になるよう祈りつつ、眠ります。

地球は生きていた!イエローストーン国立公園。

10月25日、9時起床。外を見るとみんなの祈りも虚しくうっすら雪が積もっています。

このままではヤバい入れなくなる…!と思い、すぐに出発しました。

まず向かうのはグランドティトン国立公園。その先にイエローストーン国立公園があります。ですが、途中でかなり雪が降ってきて、道路にだんだんと白い面積が増えていきます。景色なんか全く見えず、完全に悪天候です。

そしてとうとう辺りは完全な銀世界に。。。。

 

イエローストーンまでのクネクネ道をえっちらおっちら進んでいきます。キャンピングカーは意外にもスリップせず走ってくれます。しかし、飛ばし過ぎには注意です。途中崖っぷちのような場所だったり、川沿いだったりと、結構危ないポイントがありました。

そんなこんなでついに南門のゲートが見えてきました。緊張の瞬間です。挨拶を交わし、国立公園の年間パスを見せ、パンフレットをもらえました。

通れたーー!^^

「全然心配する必要なかったー」と安堵し、まずは Grant Village(グラント・ビレッジ)へ。

到着し、どこから見ていくか話し合います。ごちゃごちゃ話しているとレンジャーの方がやってきました。

どこへ行くのかと聞かれたので、Old Faithful(オールド・フェイスフル)に行くつもりだと答えると、そこへの道は今の状況だと危険だから、安全な右回りの道で行きなさい(たぶんこう言ってた)とのこと。

イエローストーンは広いので園内にもいくつか道があり、オールド・フェイスフルへも2通り行き方があります。ですがこのレンジャーが言う右回りの道は、左回りのざっと5倍は距離があるのです。

マジか・・・

と思い、どうしようかと2人と話していると、今度は違うレンジャーがやってきました。

このレンジャーは、左回りの道はあまりオススメしないけど、行くならチェーンを着けていきなさいとのこと。そして着けたか確認をするから、また戻ってくる(たぶんこう言ってた)と言われました。

これはラッキーということで、すぐさまチェーンを取り付けにかかります。といってもバスのチェーンなんか付けたことはありません。雪が降りしきる中、昔テレビで見たシーンを必死で思い出しながらなんとか取り付けに成功。

途中、鳥を咥えたコヨーテが僕たちの横を通り過ぎて行きました。ヨセミテの鹿にも思いましたが、警戒心とか無いんでしょうか?笑

さっきのレンジャーを待っていると、猛烈に吹雪いてきました。「この天気大丈夫かなぁ」と思いながらチェーンのチェックをしていると、さっきとはまた違うレンジャーが飛んできます。

その人は、「雪が凄いからこの道は封鎖する!戻れ!」と言ってきました。

悪い予感的中です。締め出されました。

しぶしぶ来た道を戻っていると、雲間から青空が。晴れてきてるやん!と思いながら朝来た南口ゲートに帰ってくると、1台の観光であろう車がゲートを通過していったのです。

なんでやねん!ということで僕たちも行っていいか確認するといいよ!とのこと。もうめちゃくちゃなので、オールド・フェイスフルまで直行です。もう誰も僕たちを止める事はできません。

そうしてようやく到着!やはり雪が積もっているとスピードが出せないので、移動に何倍も時間がかかってしまいました。もう時刻は16時をまわっています。

今日はもうトレイルを歩くには時間が足りないので、イエローストーンのシンボル的存在である間欠泉だけを見ることに。

その名も Old Faithful Geyser(オールド・フェイスフル・ガイザー)。水温は96℃(標高2,245mなので96℃で沸騰)で、1度に4万リットルの熱水を30〜55mの高さまで吹き上げる間欠泉です。実は世界の間欠泉の三分の二は、ここイエローストーンに集まっています。

ん、遠くの方で何かが歩いている・・?

あれは、バイソンです!野生(?)のバイソン!イエローストーンでは結構普通に歩いています。

2度めの訪問をした時にはこんな光景に出くわしました。

 

話を戻しまして僕たちが間欠泉の噴出を待っているとまた吹雪いてきました。吹雪いていたり青空だったり忙しい天気です。こんな季節だというのに観光客で溢れています。さすがは世界的に有名なイエローストーン。

もう寒すぎて限界だと諦めそうになった時、ついに地面から「ゴゴゴゴゴボォゴボォゴボォ」と低い音が鳴りはじめ、勢い良く熱湯が噴出しました!

その高さは高く、意外にも迫力がありパワーを感じます!地球の熱で起こった現象なんだと思うと、月並みな表現ですが、やはり地球は生きているんだなと実感させられました。

短いですが動画があったのでよければ見てみてください。

今日はこれで1日のイベントは終了。なので急いでキャンピングカーに戻り、冷えきった体を暖めます。

今夜はさすがに路上に停めて寝るといろいろヤバそうなのと、なにより暖かいお風呂に入りたくて、West Yellow Stone(ウェスト・イエローストーン)という町でRVパークを探すことにしました。

そして悲劇が起きます…

イエローストーンを離れ町へ向かっている時、何やら後ろの方でバキバキバキバキ!!と音がしました。明らかにヤバイ音がなり、急いでキャンピングカーを止め、確認してみると

なんと左のウィンカーカバーオーバーフェンダー泥よけ、そして車体の一部バキバキに割れていたのです…!

見るも無残な状態にメンバー一同固まりました。連絡、保険、修理費、いろいろ浮かびましたが、とりあえず旅も始まったばかりなので一回忘れようということになりました。笑 

僕ら全員スタッドレスタイヤ世代なので、正直チェーンを今まで付けたことがなかったんですよね。。それで普通に雪が無いところを走ってしまったために、チェーンの一部が切れ、それが縄状になり破壊の限りを尽くしたわけです。

しかし、この旅のトラブルはまだ序の口です!後々頭真っ白になることが起きるので乞うご期待!

 

気を取り直しRVパークを探します。今みたいな寒い時期は閉まっているお店が結構あって、探すのに少し手こずりましたが、渋い声をしたオヤジさんがやっている渋いRVパークを見つけました。ホントどんだけ酒飲んだらそんな声になるんだというようなイイ声の持ち主でした。笑

そのRVパークは Rustic Wagon RV Park and Campground 。オヤジさんは、夜遅くても水が凍って不便があれば直しにきてくれる優しいおっちゃんでした。

それにしても寒い。。。気温はマイナス8℃です。シャワーがちょっと離れた場所にあるのですが、シャワーを浴びて車に戻ってくる間に髪の毛が軽く凍ります。年々寒いのが嫌いになってきている自分にとってはかなりキツい場所でした。

今日は距離的には全然動いていない割に、雪のおかげで時間がかかったため、明日はそれを見越して早めにここを出ます。なので今日は早めに就寝。布団にくるまり、寒さと戦いながら眠りました。

地球は生きていた!イエローストーン国立公園 2。

10月26日、9時30分起床。結局寒くて起きれずいつもと変わらない時間になってしまいました。

今日は、昨日行けなかったイエローストーン国立公園の観光スポットを巡ります。

注意
そもそもの話なんですが、結局僕らはイエローストーンの四分の一くらいしか見てまわっていません。後からも書いていますが、イエローストーンは様々な間欠泉を見られるのが魅力の1つです。それが冬場だと湯気で全然見えないんですよね。冬は冬の魅力があるのかもしれないですが、僕は断然暖かい時期に行くことをオススメします。

そんなこんなで結局オールド・フェイスフルに戻ってきたのは12時30分頃。

そして今からKくんが楽しみにしていた、Morning Glory Pool(モーニング・グローリー・プール)までトレイルを歩いて行きます。

人はあまりおらず、なんかだかイエローストーンを独り占めしているよう。道に積もっていた雪が所々溶けていて、地面が暖かいことを教えてくれます。

形の異なるいくつもの間欠泉が、今か今かと蒸気を上げながら沸騰するのを待っていて、その光景を見る度に足が止まりました。

途中、Grotto Geyser(グロット・ガイザー)という間欠泉が沸騰寸前といった感じでした。

にしても、この間欠泉なんだか変な形をしています。どうも沈殿物が木を埋めてできたものらしく、1cm沈殿するのになんと40年かかるとのこと。今の形になるまでに一体何年かかるのだろうか・・・

そんなグロット・ガイザーは噴出しそうでなかなかしません。しかし噴出口付近では、自然の荒々しさを感じられるくらいゴボゴボ音が鳴っています。噴出するタイミングというのはバラバラで、長い場合24時間も間隔があいてしまうこともあるようです。

なので先へ進むことにしました。

モーニング・グローリー・プールに到着。念願のモーニング・グローリー・プールとの対面でKくんはかなり興奮しています。でもそれくらい魅力的。

お湯の中はなんだか合成のような、今まで肉眼で見たことの無い様な色をしています。縁はオレンジ、または茶色っぽく、中心部分は本当に綺麗なブルーをしています。まるで宝石を見ているようです。Kくんのオススメ通り来て良かった場所でした。

そして帰り道、さっき見ていたグロット・ガイザーがちょうどタイミング良く噴出しました!

規模はオールド・フェイスフル・ガイザーに負けますが、近くで見られる分より地球の息吹を感じられます。

雪がちらつくトレイルをのんびり、自然を楽しみながら戻ります。

 

駐車場に戻ってきました。次に向かうのは Black Sand Basin(ブラック・サンド・ベイスン)という場所。ここには、水中に繁殖した黄色の藻に、空の色が合わさってエメラルド色になるという Emerald Pool(エメラルド・プール)があります。

しかしとても残念な事に、湯気が邪魔して全然見えませんでした。。

この他にも、透き通ったブルーのお湯が美しく、またその透明度で有名な Sapphire Pool(サファイア・プール) や、

直径113m(園内で最大)、エメラルドブルーのお湯と周囲を縁取る様々な色が鮮やかな Grand Prismatic Spring(グランド・プリズマティック・スプリング)

を見に行きましたが、湯気で全滅。特に1番期待していたグランド・プリズマティック・スプリングはほとんど何も見えませんでした。

これが冬のイエローストーンをオススメしない理由です。おかげでTくんが発狂。

その後寒さにやられてシュン。。

 

そして最後に Lower Geyser basin (ロウアー・ガイザー・ベイスン)という場所で、ぐつぐつ煮えている沼 Fountain Paint Pot(ファウンテン・ペイント・ポット)を見ました。

まるで地獄の様な印象。さっきまで見てた綺麗なスポットとは真逆過ぎて驚きです。ファウンテン・ペイント・ポットのように荒々しくて力強い感じの方が、見てて楽しいです。

湯気が邪魔するのと写真のせいで迫力がイマイチ伝わりませんな・・・

ここで北欧とカナダから来たという2人組に出会い、記念に1枚。彼らはドキュメンタリー番組を撮ってネットで配信しているそうです。なんて名前の番組だったんだろ?

 

太古の昔、この国立公園一帯は巨大な火山の一部でした。今でも公園の中には火口の跡が残っており、決して死んでおらず、イエローストーンはロッキー山脈の火薬庫と呼ばれています。

これまでおよそ200万年前、120万年前、60万年前に大噴火を起こし、その規模は1980年に起こったセントヘレンズ大噴火の1,500倍。火山灰はメキシコの原野をも覆ったといわれています。

現在地下326mの温度は237℃もあり、1975年にはマグニチュード6.1の地震、最近では群発地震が発生しています。今も火山性の微弱な地震が続いており、大噴火の周期が60万年ごとならば、今すぐに噴火してもおかしくないと主張する科学者もいるそうです。噴火した際には直径数十キロのマグマだまりが爆発し、地球の景観までをも変えてしまうといわれているイエローストーン。

そんなイエローストーンは、「地球」というものを垣間見られる数少ない場所でもあると共に、これから自分たちが普段の暮らしの中でどう地球と向き合い関わっていくかを考えさせてくれる貴重な場所でもあるなと思いました。

また来る時まで今のままであって欲しいと願いつつ、僕らはイエローストーン国立公園を後にしました。

 

この日は昨日と同じRVパークに泊まります。早めに戻って来られたので、その分のんびり過ごすことができました。最近は夜遅くまで移動が多かったのでこんな日もありだなと思います。

注意
宿泊する際はRVパークを利用しましょう。危ないですよ〜

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